今回の記事は、ヨガの先生からの相談から始まりました。
ヨガで姿勢を整えるために使う補助具に、「ヨガブロック」という物があるのですが、気軽に入手できるものは樹脂製のものが殆ど。「林工さんの木材で作れませんか?」との相談でした。
ただし、寸法が特殊なので、ざっくり見積もりすると、とても高価な商品になってしまいました。
すると、ヨガの先生の御実家は山林所有者。ちょうど杉を伐採したところで、建築材として売れそうな部分の出荷は済んでおり、タンコロが土場に残っているとの事でした。
その山は、先生のお爺ちゃんの代に植林した杉が植わっていて、戦後日本の復興になると信じて植えた山である事。80年生の杉の木は、建築用材として役に立つはずが、一部ではあるけれどバイオマス発電で燃やされてしまうことに何とも言えない心情であることなどをお聞きました。
「長い時間をかけて郡上で育った木。ヨガでいつも使うブロック、この木でつくれないかな?作る事で森・木の事・木を扱う仕事の事を私自身も知り、それを伝えられたら…」と相談してくださいました。
「せっかく植えた木の一部でもヨガブロックに生まれ変わったなら、お爺さんも喜ぶので
は」と思い、協力させて頂くことにしました。
普段の私は山に入り、木を伐っていますが、林工に入社した当初は木材加工部(当時は工場と呼んでたなぁ)でも働きましたし、少しですが製材機を動かしたことがありました。
先代理事長の頃から、いろいろな事に挑戦・協力するDNAのある林工なので、現理事長以下、工場長とも相談の上「バイオマスに廻すだけでは勿体ない。良い事だから、協力しましょう。」と、話はとんとん拍子に進みました。「掛かった経費は頂いてね」と大事な事は念押しされましたが・・・。
さて、土場で選んだタンコロは、この様な姿でした。

いわゆる、「タンコロ」、C材と言われる部分です。
救い出さなければ、バイオマス発電所で燃やされる運命にありました。
歩留まりや経費をシミュレーションしてみましたが、「製品として売る」という方法よりもsorayogaオリジナルのヨガブロックを作る方が良いだろうという事を提案させてもらいました。
ヨガブロックは、普段の白鳥林工では扱わない特殊な寸法。
乾燥による縮み、反り、節の有無、削り代、さまざまな要因を検討・整理しながら1本1本を丁寧に製材していきました。

(左が工場長、右が私)
厚い部材となるので、普段より期間長めの天然乾燥を行いました。

仕上げの人工乾燥を終え、含水率で10~15%となったことを確認し、木取り作業を終えたのが、今年の2月。
リップソーという機械で幅を整え、モルダーで4面プレーナー掛けをし、ワークショップ前の白鳥林工の作業を終えました。

杉特有の赤身と白太の源平が綺麗ですね。
人工乾燥は、中温乾燥としているので、杉の香りが残っています。
木目だけじゃなく、香りを楽しむことが出来るのも無垢材の良いところ。

後編(ワークショップ)へ続く
(つしけんの代理投稿)
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