切り刻まれて、最後の最後、製品にはならないくらいの小さな木片。といったイメージをお持ちでしょうか?
辞書には
goo辞書
weblio辞書
等々とあります。
どの様な製品を作っているかによって、「端材」の定義も変わってくるのではないかと思います。
ある人から見れば「端材」でも、別の人が見れば「製品に成り得る」、と。
今日はそんなちょっとした嬉しい事例をご紹介します。
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弊社の製品を御存知でない方も多くいらっしゃると思いますので、簡単にご紹介しておきますと、「巾接ぎパネル」を製造販売しています。
「幅広の板が欲しいけど、一枚板で手頃な価格のモノは手に入りにくい」という悩みを解消する商品です。
「集成材」といった言葉を聞いたことがあるでしょうか。フリー版、集成材、といった商品でホームセンター等で安く買うことが出来ます。昨今のウッドショック等の影響で現在はどうなのか定かではないのですが。
SPFと言われる素材で、3cm位の幅の木片を接着し、長さ方向には節が出ないように短材を繋いだ商品を見かけたことは無いでしょうか?
(縦継ぎには、フィンガージョイント(FJ)という加工が使われています)
集めて成形した材 で、集成材という訳ですね。
弊社が製造している「巾接ぎパネル」は、10cm~18cmと比較的幅の広い板を接着していますが、縦方向の継ぎがありません。
広い意味では「集成材」の範疇なのかもしれませんが、上記のように明確に違いがありますので「巾接ぎパネル」と名乗らせて頂いてます。
本記事では長くなってしまうので、詳しくは弊社HPをご覧頂ければと思います。http://www.shirotori-rinko.or.jp/
念のために付け加えておきますと、集成材も巾接ぎパネルも、ともにメリット・デメリットがありますので、どちらが優れているか?といった類の話ではありません。勿論、弊社としては「巾接ぎパネル」を使って頂きたい気は満々です。だって、見た目は明らかに巾接ぎパネルに軍配でしょ?と思ってしまうわけです。
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さて、巾接ぎパネルの製造工程では、最初に「横切り」という工程があります。
4mの板から、注文に合わせて長さを取っていくのです。
2m×2枚なら、効率が良いですよね。
でも、割れ・節・腐れ・カビ、さまざまな品質的にNGとなるものが出てきます。
また、2.6mや3mといった注文がございます。
そうすると、残りの1.4mや1mの板が出てくるわけですね。
この長さにぴったりの注文が来れば御の字ですが、なかなかいい具合にはいかないので、中途半端な長さの板が溜まっていくわけですね。
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前置きが長くなりました。
弊社の製造工程・製品、どの様な材を取り扱っているかをよくご存じの木工家「ツバキラボ」さんから連絡が入ったのが、先週のこと。
「杉の荒材。30㎜程度の2m材を2~3枚頂きたい」
ざっくりの依頼です(笑)
もう少し突っ込んでお聞きすると、「〇〇を作るので、短くても可」「厚みは最低でも30㎜欲しい」と具体的な要望。
「節はあっても可。避けて使います。」
私も、ツバキラボさんの仕事内容や設備をある程度知っているということもプラスに働きます。
そして、何を作るか?という事も分かれば、こちらから材料のご提案もできるというわけです。
さっそく、倉庫の片隅に積まれていた長さ1m以下の山をSNSで送信~♪

そして本日、「例の杉、直ぐに出せますか?」と連絡を頂いたので、必要と思われる分+αを見繕い、「これで足りますか?」と送信~♪


無事、OKを頂いたので、梱包して即発送!
と、ここまでならよくある話。
時期を同じく、郡上で木工作品を作られている「fuu+017(フータスジュウナナ)」さんからもSNSで、「厚〇〇mm、幅〇〇mm、の材を探してまして、もし有るようなら分けて頂きたい」と連絡が入りました。
長さを確認すると、1m程あれば良いと。
がっつり被りました(笑)
あれよあれよと、本日引き取りに来られまして、fuu+017さんには、ご自身で必要な分を選んで頂いて、検尺してお渡ししました。

必要な方へ、必要な材料が行き届く。
木工家さんは、無駄に買わなくて良い。
弊社は、無駄となる可能性があった材料を買って頂ける。
まさに、win-winです。
少しお安くしてお買い頂きました。
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見積もり・ご注文を頂ける際は、より詳しい背景までご連絡頂けると、お客様にとって、より無駄が少なくなるようなご提案が可能なのかなと思っております。
「〇〇が欲しい」というだけでなく「△△を作るために・・・」といった些細な事でも、こちらからのご提案が可能な場合がございます。
無理な場合は無理と正直にお答えさせて頂きますが、可能な限りご要望に沿えるように努力して参りたいと思っています。
さて、こんな日常の事をわざわざ記事にした理由。それは、先日のオンラインセミナーにも関わる事。
・必要としている人に木材が届かない。
・流通が担う役目。
もっと大きなことで言えば、カスケード利用。
さらに大きなことで言えば、バイオマス発電にまで、根っこは繋がっているのではと考えます。
大きなことを言っても、小さな会社で出来る事は限界があります。
つまり。
目の前の出来る事を、コツコツとやっていくしかない。
まずは、情報発信です。
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