「重いとか軽いって、この場合、絶対値じゃなくて相対値だよな・・・?」と。
普段からズブ生の丸太に触れている我々としては自明なのですが、「世間の皆さんはどう思ってるんだろう?」と、ふと疑問に思い、無謀にも呟いてみようと思ったわけです。
公式でありながら、フォロワー数が100人を切る弊社のツイッター。
無残にも0票もありうるだろうと思いつつ、「投票機能」を使ってしまいました。
先日、投票が締め切られたわけですが、なんと5票も頂きました。
0票もネタとしては面白いのですが、5票も頂けたことが嬉しかったー!
投票して下さった5名の方、この場を借りてお礼申し上げます。
さて、結果はこの通り。

(クリックするとツイッターに飛びます)
設問を敢えて曖昧にしています。
生とも乾燥とも書いていないのですね。
それぞれ投票して下さった方が、どの様なスギ・ヒノキを想像しての回答だったか、是非聞きたいところではあります。
スギとヒノキの比重を比較してみましょう。
全乾比重 気乾比重
スギ 0.35 0.38
ヒノキ 0.40 0.44
(全乾比重とは、含水率0%のとき、つまりカラッカラのときの比重。気乾比重とは、自然な状態の温度・湿度(日本では約15%前後)とつりあった時の比重。)
この数字だけみれば、「ヒノキの方が重い!」となるわけですが、それでは面白くない(笑)
実は、含水率って100%を超える事があるんです。200%なんてことも!
つまり、本来の重さの3倍になることもありうるんです。!
(含水率計算はちょっと特殊なので、興味のある方はググってください)
充分乾燥した(カラッカラではない)杉の場合、380kg/m3となるのですが、200%の含水率だと1,140kg/m3なんてことも!
弊社では、桟積みは二人一組で行っています。
こんなに重たい板を一人で持つなんて不可能に近い。いや出来なくもないけれど、労働環境的に優しくない。
効率も悪いですしね。
さてさて、桟積みした板は、天然乾燥の為に屋外で放置します。
何故か?
スギの乾燥が一番難しいと言われているからです。
200%を超えるものもあれば、100%を切るものもある。
これを人工乾燥にかけると、非常に効率が悪いうえに、仕上がりにもバラつきが出る。
なので、全体を平準化させるために、天然乾燥が必要なわけです。
さて、フォークリフトですくっているこの”ひと山”。
ざっくりと、厚み36㎜、長さ4m、幅は1m程で17段あります。
当然、板と板の間には隙間がありますので、実際の材積としては1.5m3程で見込んでいます。
ざっくり4割は隙間。けれど、必要な隙間。(人生と一緒ですね(笑))
さて、この”ひと山”の重さはどれくらいでしょう?
このフォークリフトには、重さを測る機能が付いています。
レバーについているボタンを押すと
『1.41t』と出ました。
1,410kg/1.5m3 = 940kg/m3 ですね。
ざっくりと、含水率、240%!?
材積の見込みが大雑把なので、こんなには行っていないと思いますが、1.41tは実重量です。
はい、これを手積みです(笑)。二人一組で。
この日の製材では、10山になったはずなので、総重量14.1tを扱ったことに!?
とても大変な作業ですが、とても大切な作業です。
さて、設問の回答ですね。
平均すると、ヒノキの方が重いです。
けれど、個体差も大きいんですね。
同じスギの中でも重いものもあれば、拍子抜けするほど軽いものもある。
ヒノキは、スギに比べて個体差は少ないものの、やはり差はあります。
スギの重たい個体とヒノキの軽い個体を比較すれば、スギの方が重くもなります。
という事で、回答としては「どちらとも言えない」となりますでしょうか。
思いがけず、長いブログとなってしまいました。
数年前まで、近隣小学生が授業の一環で見学に来ていました。
その際は、丸太を「持ち上げてみる?」と触って貰ったり、ズブ生の木と乾燥した木を触って貰ったり、学校では出来ない「体験」をして貰った事もありました。
ネットで検索して「分かった」(つもり)だけじゃなく、実体験を伴わないと、、、と思います。
ということで、今回は仕事中にふと頭によぎって疑問から派生した記事となりました。
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