「適材適所」を裏テーマに【大開津の石邸】は、こだわりを持ちました。
ちなみに、「人の能力・特性などを正しく評価して、ふさわしい地位・仕事につけること」を意味する『適材適所』という四字熟語が”建築現場での木材の使い分け”が語源となっていることは、衆知のとおりです。
適材適所と言いつつ、多くの樹種を使いすぎると、逆にうるさくなってしまいます。
間取りを検討していた時期、妻に冗談で「階段を一段一段、違う樹種にするってどう?」と聞いたことがあります。
速攻で却下されましたが、「いいよ」との返事だったら、実現していたかもしれません・・・汗)
さて、【大開津の石邸】かつ【サワラ】の過去記事はこちらでご覧頂けます。
【大開津の石邸】は、各部屋・箇所でテーマを持って望みました。
その特徴的な部屋が、脱衣室だと思っています。
サワラの羽目板の使用例をご紹介します。
水に強いサワラ。正真正銘、岐阜県産材です。もちろん、白鳥林工製作です。
羽目板として、天井・壁・床と、全てサワラです。
別名『サワラの間』と、自分では呼んでいます。
床の1坪分だけは、無地上小にしてもらい、壁と天井は節OKとしました。
脱衣室の広さは、1坪。
脱衣室内に洗面台を設置する間取りが多いと思いますが、【大開津の石邸】の場合、家族構成と生活スタイルを検討した結果、洗面機能を独立させることにしました。
この話も、長くなるので別記事で紹介できればと思います。
1坪の脱衣室には、洗濯機と収納棚を設置しました。
洗濯機は、お風呂の残り湯を使うため。
収納棚の上は、着替え等を置くスペースとし、収納棚と洗濯機の間は、洗濯籠を置くスペース。
寸法はちゃんと計算して貰いました。
右の壁際に不自然なでっぱりがありますが、2Fトイレの配管が通っています。これだけは壁内に納まりませんでした。
ちなみに、収納棚は桧です。こちらは、材厚の関係でサワラでは足りなかったので、桧パネルで製作しています。
羽目板は全て蜜蝋ワックス仕上げなので、風呂上りに水滴が落ちても、水はじきはばっちりです。
直ぐにふき取れば問題なし!
そして、想定以上の効果だったのは、サワラの香り。
風呂上りは、サワラの匂いで癒されています。
杉の匂いには麻痺してしまった鼻ですが、サワラはばっちり嗅ぎ分けられます。
さて、脱衣室の引き戸。こちらもサワラの羽目板框組み。
余った材料(羽目板)で作ってもらいました。
遊びに来た つしけんさんや、山林部のN君、U君が鼻を近づけてクンクンしていました。(笑)
そして、脱衣室にはもうひとつ仕掛けが。
東西方向の壁(天井際)の内部には、補強材を入れてもらっています。
これからの梅雨時期、洗濯物の部屋干し対策として、脱衣室での対応を選択肢として考慮しました。
設計段階では”ホスクリーン”も検討したのですが、最終的には「突っ張り棒でいいかっ!」となりました。
2Fフリースペースで洗濯物が乾かなければ、脱衣室に突っ張り棒を設置して、除湿機を回します。
1坪の空間なので、効果はかなり期待できそう。(極力電気は使いたく無いのですが・・・)
この辺りは、女性設計士さんの意見をかなり参考にさせて頂いた記憶があります。
”女性ならでは”といったところでしょうか。
サワラとヒノキ。
似た樹種を同一空間に共存させることで、視覚と嗅覚で堪能します。
そう、自己満足。(馬鹿でしょ~? (笑))
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